弁護士コラム

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Vol.02

親族に重度の認知症患者がいます。成年後見や保佐人の制度を利用したいけど、費用が心配です。どのくらいかかるのでしょうか?


 成年後見などの制度を使用するにあたっては、申立てにかかる費用と、後見人への定期的な報酬の両方の費用がかかることがあります。
 申立ての費用は、細かな書類の費用以外は裁判所に納める印紙や切手といった費用(多くて1万円くらい)と医師に払う鑑定費用3~10万円程度となります。加えて、弁護士に依頼する場合には、難易度に合わせて10万~30万円程度の弁護士費用がかかります。
 ただ、お住いの市町村によっては支援事業があり、一定の要件によって申立費用の一部又は全部が援助されることもあります。

 

 また、法テラスの利用要件を満たす場合には、法テラスの援助を利用することもでき、弁護士費用も含めた費用が立替えにより援助(要件によって返済を免除されることもある)されます。
 後見人などの報酬についてですが、こちらは、親族による後見では無報酬やごく安価なものになります。他方、専門家が後見人などに就いた場合、裁判所の決定により一定の報酬が発生します。ただ、報酬は通常、被後見人御本人の財産から支払われますので、申立人には負担がかからないのが普通です。そして、報酬についても要件を満たす場合には、市町村の援助事業が利用できることがあります。
 ですから「成年後見などの制度を利用したいけど費用の面で諦める」ということは無くして、各種機関と相談しながら御本人の権利保護を叶えていただければと思います。


Vol.01

成年後見、保佐、補助という制度がありますが、それぞれの特徴を教えてください。また、任意後見契約という言葉を聞きましたが、どういうものですか?


 ご指摘の制度は精神の障がいや高齢による認知症など、判断力が十分にない方々の財産を守り、十分なケアを受けられるようにする仕組みです。
 法律上の法定後見、契約によって決める任意後見契約とがあります。
 法定後見は、成年後見・保佐・補助という3つに分類できます。成年後見は、精神上の障害により事理弁識能力を「欠く状況」にある者、保佐は、それが「著しく不十分」である者、補助は、「不十分な者に、裁判で認定します。

 

事理弁識能力の不十分さに合わせて、制度を使い分けるわけですが、援助を受ける側の人(成年被後見人・被保佐人・被補助人)ができる行為は順に広がり、援助する人(成年後見人・保佐人・補助人)の権限は順に狭まります。
 また、事理弁識能力の不十分さが違うため、それぞれ細かな違いもあります。一度整理しておくとよいでしょう。
 任意後見人として、任意後見契約というものもあります。例えば、将来認知症が悪化してしまった場合に備えて、信頼できる人や専門家との間で、あらかじめ任意後見人になってもらう旨の契約(公正証書)を交わしておきます。そして、判断力が十分でなくなってしまったとき、裁判所が選んだ監督人の監督の元で、任意後見人が、契約に従って後見をするものです。