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特集:社会福祉法人 協同福祉会 特別養護老人ホームほなみ



社会福祉法人 協同福祉会の理念

 FEATURE01 特集:社会福祉法人 協同福祉会 特別養護老人ホームほなみ

新井 特別養護老人ホームを創設するには、社会福祉法人を設立しなくてはなりません。前橋協立病院は過去に2回ほど試みたのですが、残念ながら選定には至りませんでした。3回目の  

チャレンジで一番に考えたことは、協立病院が老人ホームを持つことの意義です。
 「命は平等にあるのだから、医療が受けられない環境を作ってはならない」という信念のもとに無料低額診療に取り組んできた協立病院ですから、設立した社会福祉法人は介護や福祉の分野でも「無差別平等」を第一の理念に挙げています。それから、地域の中で一緒に暮らしている外国人、認知症の人、最近ではLGBTや引きこもりやニートなど、いろいろな方を認め合えるような町をこのエリアから広げれたらと思い、「多様性の尊重」を二つ目の理念に挙げています。そして、それらを実践するための「参加と協同」という三つ目の理念を掲げて、特養や訪問介護などの運営に生かしていきたいと思っています。  

特別養護老人ホームほなみの特徴

萩原 どんな施設だったら生活したくなるのか、組合員(協同して医療生協を担う地域の方々)さんに意見を出していただいたのですが、まず、どこの施設も一度入ったら出られない、家族と疎遠になってしまうイメージがあったようで、老健と特養の違いを理解するのがなかなか皆さん難しかったようです。

特集:社会福祉法人 協同福祉会 特別養護老人ホームほなみ

ただし、特養でもほなみの場合は協立病院があって、役割として自分らしい生活を取り戻し、いろいろなサービスを使いながら地域に戻れる施設にしたいとお伝えたところ、そういう場所が地域にあったら安心して年を取れるとにあったら安心して年を取れると共感していただけました。
 具体的には居心地のいい空間で安心して生活するために、温かみのある木を使用し、部屋は何号室ではなく、地名や番地を付けてご自宅の雰囲気を出しています。自分がどのように、どこで過ごしたいかを選べて、生活の中に楽しみが生まれるような施設づくりを目指しました。
新井 国はユニット型個室の整備を薦めていて、とてもいいケアだと思いますが、大変費用が掛かります。なんとか10万円以下でプライバシーが尊重されて、自分らしい生活を送ることができる空間とケアの提供ができないか、というのが実は地域の人たちの願いだったんです。そこで目を付けたのが、従来型である多床室です。当施設の特養は多床室であっても、ほぼ壁で仕切られていて、引き戸が設置されています。それはまさに協立病院が差額ベッド代を取らないということを、特養の中で具現化した形です。

入居者と園児が触れ合える企業主導型保育園を併設

新井 介護全般に言えることですが、職員は女性が多く、一人親もいらっしゃいます。子育て中で働く場所が限定されてしまうということがないように、企業主導型保育という形で、働きやすい環境を整備しました。保育を福利厚生の一つとして「ここに保育園があるから働き続けられる」という付加価値を持たせています。
萩原 具体的には、敬老の日に園児が訪問してプレゼントを交換したり、お遊戯を見てもらって、入居者さんは涙を流して握手をするなどのいい交流がありました。今はコロナ禍で一堂に会することができないので、園児のために折った折り紙を届けたり、保育園側からお礼が来たり、間に職員が入って交流を続けています。入居者さんは施設内から園庭の見える場所へ移動され、楽しみの一つとして、子どもたちの遊ぶ姿を見ることが日課となっています。

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認知症ケアへの取り組み

山口 最近、さまざまなレクリエーションを行うアクティブなデイサービスが増えていますが、介護従事者ができることと利用者さんが本当にやりたいことが、果たして合っているかどうか。もしご自身が入居したら、やはり自由に過ごしたいと思うのではないでしょうか。この施設は安心して生活できる環境が整っています。さらに、職員が本当の認知症ケアを理解していけると、もっといいものになります。環境はとても大事で、環境とケアが整うと、認知症でも家に帰っていただくことができます。いいケアができれば認知症状が治まり、自分の居場所が

見つかって、笑顔が生まれて、ショートステイにまた来たいと思ってもらえるようなサービスができると思うので、そこに力を入れていきたいところです。
 そのためには、認知症という病気を理解して、なおかつ、できることをやりたいことに繋げていくのが介護のプロであり、認知症ケアにはとても大事なことです。スタッフがやりたいではなく、利用者さんがこういう思いを持っているから、こういうケアをしたいというふうに変わっていくと一本の筋が通って、この施設の趣旨にも繫がっていきます。

これからの街づくりへの取り組み

新井 この施設が地域に開かれて、例えば小中学校の学生さんと認知症患者さんとの触れ合いの場を作るとか、いろいろな人たちとの出会いのある学びの場、交流の場、楽しみの場にできればいいと思っています。  認知症の患者さん、地域でも認知症が進んできた在宅の方もたくさんいらっしゃるので、そういう方たちがこれからどのような暮らしをしていきたいかということの意思決定を、きちんと支援していけるような権利擁護の取り組み、あるいは成年後見の取り組みを、地域の人たちと一緒にやっていけたら。

つまり「遠くの親戚より近くの他人」のように、昔から付き合いがあり、仲よくしている近所の人が、任意後見や市民後見のような、自分の意志決定をしてくれる、そういう信頼関係で困った時に互いに解決していけるような街づくりが、認知症という切り口一つを取ってみてもいろいろできるのではないかと思います。介護福祉の施設ですが、医療では協立病院もあり、グループとしてより豊かな地域づくりに貢献できるような場所にしていきたいですね。

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