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特集:医療法人 済恵会 須藤病院

 昭和18年の開業以来70年以上にわたって安中地区に密着し、ニーズに寄り添った医療を提供し続ける須藤病院。地域の基幹病院としてその役割を担い活動しています。
 少子高齢化の加速する安中市の現状を踏まえ、須藤病院では地域の医療機関との連携を深めながら多職種連携にも力を注ぎ、平成27年9月から月に一度、地域包括ケア会議を主催。参加者は同院の全職種に加え、連携診療所の医師、院外薬局薬剤師、介護系事業者など毎回さまざまな職種が一堂に会し、積極的な意見交換を行い、情報共有を図りながら顔の見える関係を築いています。
 会議の内容は、強化型在宅療養診療所の緊急往診と看取りの状況、その月の紹介患者の報告、施設・事業所の空き状況などの情報共有に加え、テーマに沿ったミニレクチャーも行われます。この3月に開催された会議の中では「高齢期に必要な生活習慣病管理」と題し、本多病院の本多真院長が講師となって、最新データを基にスライド画面を投影しながら丁寧に解説。その後、質疑応答を経て約45分間の地域包括ケア会議は終了となりました。

会議を終えたばかりの同院の須藤英仁院長に、安中市の医療と介護の連携についてのお話を伺いました。

地域包括ケアの現状

 地域包括ケアをどこまで求めるかということになりますが、この地域は進んでいる方だと思っています。介護系の人たちが利用者の生活を看続け、そこに重点を置くことは大事なこと。あとはその人たちの最終の生活をどのような形にしてあげるのがいいのか、それをどう考えるか。その時に医療が絡んでくるわけです。けれども医療は万能ではありませんね。医療には限界があるということを介護に携わる人は承知していなければなりません。 いずれ人間はみな死を迎えるわけですから、その終末期をどうするのか究極的に考えなければいけないと思います。会議の中で本多先生のお話にもありましたが、食事療法で塩分制限をして食事摂取量が落ちてしまった場合、例えば梅干し一個でご飯が食べられて人生が変われば、そのほうがいいですよね。そういうことを皆で考えていくことが必要。医療側の

人間もそういう感覚を持つべきなのです。要するに介護生活をどう維持するかが大事だということです。

医療法人 済恵会 須藤病院
病院長 須藤英仁さん

医療と介護の連携の目指す先は

  多職種連携はよく話題に上がりますよね。それも大切な連携のひとつですが、多施設連携を持ってほしい。地域の中にどんな施設があり、どんな活動をしているのかを知ること。それが根本ではないでしょうか。実際はケアマネジャーもよく知らない場合も多いですよね。逆に言えば、医療側も理解が不十分です。その施設ごとの強みや活動を理解していれば、突然、患者さんが来た時にどの施設がふさわしいのか言えるわけです。

介護職に携わる人、特にケアマネジャーは地域の施設というものを当然しっかりと知っておくべきでしょう。地域の施設の機能が多方面に付与されているのだから、その情報を正確に把握し、自分のものにして、それをいかに手足ように使えるかがプロなのではないでしょうか。それが、介護に関わる人の一番大事なところだと思います。

強化型在宅療養支援診療所・病院とは

 須藤病院の大きな特徴は、連携型を推進している点です。同院を中心に安中市内の9診療所・1病院と協力関係を築いています。そのなかで4診療所が強化型在宅療養支援診療所の資格を持ち、在宅医療を行っています。強化型在宅療養支援診療所・病院というのは、このチームのなかで年間に4件以上看取っているか、10件以上緊急の往診をしているかというのがひとつの基準になります。各診療所・各病院の基準は看取りが2件以上、緊急往診は4件以上。ですからチームを組むとずっと楽になるんですよ。一年間の実績を出せば、診療報酬もだいぶ

変わってくるわけです。開業医で訪問診療や往診をしている先生たちはぜひ関わるべきだと私は思っています。24時間対応が求められるのですが、やはり診療所の先生にとってそれは不可能に等しい。緊急時にどうしても困るということがあるので、そこのところを病院が代わりましょうと考えています。病院には医者が24時間いますから。同院が対応して、その患者さんは治療が終了した時点で、必ず紹介元の先生のところにお返ししています。

地域包括ケア会議を通して思うこと

 会議は3年以上続けています。地域に必要なことですから継続していくのは当然のことです。やはり介護系の方の発言や問題意識ですよね。会議の中では介護系の人たちに何か意見があるかどうか、なるべく聞くようにしています。それから介護系の方がどこまで医療系と対等に話ができるかということもありますね。ケアマネジャーと医療機関との意見交換が必要な時、難しい用語を使わずに、わかりやすく伝えることが大事であるということを、看護職員に対して、私は常々口にしています。   どうしても医療側の声が強くなってしまいがちですが、会議の中で本多先生の話を聞いていると、年齢がある程度までいった先は治療法も変わっていくし、食べることが何より重要になっていきますね。そうすると、介護の人たちのやっていることのほうが、逆に今後は価値が出てくる可能性もあるわけです。入院していて全然食べられない高齢の患者さんを施設に返してみたら、その後体調が良くなったという人を実際に私もた

くさん診てきています。要するに、医療だけではなく、介護の力というのは絶対にあるんです。やはりそれは介護をやる人たちも誇りを持っていいことだと思います。医療法人 済恵会 須藤病院
医療法人 済恵会 須藤病院