介護特集

TOWN介護 FEATURE01

黒沢病院を核とする医療法人 社団美心会は、介護付有料老人ホーム「カーサ・デ・ヴェルデ 黒沢」を9月に開設します。
これに先立ち、理事長、副理事長の地域に対する思い、そして地元の区長も交え、和やかな雰囲気の中で意見交換が行われました。

地域の声に耳を傾け、最先端の予防医療を展開し続ける 医療法人 社団美心会

美心会の特徴や強みを教えてください

理事長 「自分がしてほしいことをさせてもらう」。これが私の基本の考え方です。私は今から40年前に小さなクリニックを開院しました。1日に一人で300〜400人診るようになり、大勢の患者さんが廊下や階段で待っていました。2年も経つととても入りきらなくなったので、診察が終わったら少しでも早く帰れるように、群馬県で最初に院外処方を始めました。当時の入院は7床で、透析をするとすぐ満床になってしまい、地域から大きな病院にしてほしいという声が上がりました。そこで地主さんたちの協力もあって、43床を有する黒沢病院を開設するも、すぐに手狭となり2倍の86床へ規模を拡大しました。同時に「これからは予防医療の時代」と考え、県内初となるワンフロアで検査が完結するドックを始めました。たちまちドックもいっぱいになり、そこで私が長年計画を温めていた「ヘルスパーク構想」に取り掛かりました。矢中町の皆さんから広い土地をお借りして平成21年に設立できたわけです。1階には外来、ヘルスパーククリニック(以下HPC)を開設、そして3階フロアにドックを備え、初期のがんや病気の早期発見・適切治療で皆さんに喜んでいただいています。現在ドッグは年間3万5千人ほどで、10年継続している方が1万5千から2万人、さらに20年継続の方は6千人ほどいます。この方たちの健康増進に

貢献できるように、2階フロアに「ヴァレオプロ」というメディカルフィットネスを作りました。天然温泉が備わり、運動した後に温泉でくつろいでいただけます。

 病院も30年近く経つと古く、手狭にもなります。HPCとの距離が600mほど離れ、患者さんが入院する際はその距離を車で移動しなくてはなりません。この問題を解消するため、HPCの横に病院を新築移転しました。そして、今までの病院を介護老人保健施設にしたわけです。高齢者の増加によって病床が埋まってしまうと、ベッドに空きがなければ救急患者を断らなければなりません。国の方針では、急性期病院は14日で退院することになっていますので、老健の開設によって既存の患者さんの受け入れ先が万全となりました。

 世の中の高齢化が進むにつれ、在宅で1人暮らしの高齢者が、今までできていたことができなくなるケースが増えています。自分でできると思って作業をした結果、ケガをして病院に運ばれる事例が増加しています。そこで、地域の高齢者の生活を支えることを目的に「べんりーくろさわ」を始めました。病院が便利屋をやるのは日本で初めてです。正直利益は出ませんが、ずいぶん地域の高齢者の役に立っていますよ。

介護付有料老人ホーム開設の経緯とその特徴

理事長 アパートやマンションでは不安。いざとなったら面倒を看てくれる施設に入りたいという方のために、今度は介護付有料老人ホーム「カーサ・デ・ヴェルデ 黒沢」を始めようとしています。これはスペイン語で「緑の家」という意味ですが、庭や畑、散歩道やバーベキュー場を作り、花や木を植えて緑に囲まれた暮らを想定しています。病院ではないので、夕食は街に飲みに行ってもいいわけです。元気なうちに入居して、介護が必要になったらそのまま最期まで、希望で看取りまでできます。一般社会で暮らしているのと同じような自由な環境下で、すぐ目の前に病院があるので、主治医が家にいるような感覚で、自由に、安心して暮らしていただける施設です。これでようやく国が提言する地域包括ケアシステムが出来上がるのではないでしょうか。

副理事長 予防から最後の看取りまでを、黒沢病院が目の前の施設でさせていただけるというのが強みでもあり、理事長のモットーを実現できると思っております。このほか、美心会グループで100床の特別養護老人ホームを乗附町で運営しておりますし、神流町でもう1施設、55床で運営しています。

 私も含め、団塊の世代が75歳を迎える時が高齢化率も最高に達する時で、住み替えを視野に入れて生活を送るべきだと、

ひしひしと感じています。特別養護老人ホーム2施設の施設長を経験して疑問を抱いたことがあります。それは、それまでの生活環境を差し置いて、全員が同一サービスの下で暮らさなければならないという事でした。「若い時はこうだったね」と同じような感覚の方が集まって、共通の話題が持てるような施設が必要だろうと考えていたところ、その実現に理事長が乗り出してくれました。設備の特徴としては、ユニットで分かれ、階ごとにエリアを分けて暮らしていただけます。ペットとの同居も可能です。また、地域の方にもご参加いただいて、畑で作った食材を使った試食会のようなこともできればと、夢のある施設を目指しています。

 もう一つの特徴として、地域交流の役割も果たします。矢中小学校がすぐ近くなので、子どもたちが学校が終わって家が留守な場合、立ち寄って宿題をしたり、時には入居者さんが勉強を教えたり、一緒に食事をしたり、共働きの保護者の支援やお年寄りと子どものコミュニケーション場として機能できたら。地域の方にもご協力いただきながら、子どもたちに「カーサ・デ・ヴェルデがあるから寂しくないよ」って、言ってもらえるといいなって思います。

医療・介護に関する地域の思い

第1区長 この地域は、学校、スーパー、ホームセンター、そして病院の順に施設が整って、素晴らしい環境になりました。市のホームページによると、矢中第1地区は平成21年時に709世帯で1880人、現在は848世帯2129人、つまり139世帯249名の人口が増えました。若い人に人気があるんですね。市の要請で、災害時には民生委員と町内役員で手分けをして、要介護支援の方を避難させることになっています。矢中小学校が避難場所なのですが、「水が使いたいとか、トイレが足りない時には頼ってくださいね」と黒澤さんに言っていただいて、本当に感謝しています。

理事長  今の病院は東日本大震災より大きい地震でも耐えられる構造です。水道が止まってもトイレは使用できます。また、避難時に病院も開放できるようにしてあります。電気も2回線受電を採用し、停電に強い施設にしてあります。もし両方の送電線がダメになっても自家発電によって、1分半後には病院の機能は使えるようになります。救急患者も受け入れられる、災害に強い病院にしてあります。

地域が美心会に期待すること

第2区長 理事長に一つお願いがあります。第2地区は6町あって、各地区に地域づくり活動教育会があります。生涯学習の一環として年1回、地域の大手企業などに講演を依頼しています。

 そこで、大病院の地域医療・地域介護についての理解を深めることを目的として、ぜひ黒澤理事長に講演をお願いできたらと思っております。

理事長 得意分野です。

第2区長 昨年、閣議決定された未来投資戦略2017に、健康寿命の延伸がありました。平均寿命と健康寿命との間に9年から12年の差があり、この差をいかにして埋めるかが、国の課題であると。この9年から12年が要介護状態になるわけですね。29年も前から美心会は予防医療。ドック診療を推進してきました。国よりも理事長は動きが早かったんですね。

副理事長 何しろ理事長は、クリニック開業時から「病気は予防が大事だ」と口癖のように言っていましたから。そういうお話はありがたいですね。

2018年9月オープン予定
介護付有料老人ホーム「カーサ・デ・ヴェルデ 黒沢」