介護特集

TOWN介護 FEATURE01

1人ひとりに寄り添ったオーダーメードのリハビリとケアを提案

介護施設の特徴を教えてください

下田 介護老人保健施設たまむらは、在宅復帰強化型の施設です。利用者さん1人ひとりに合わせたオーダーメードのケアを設定して、それに基づいて多職種と連携して、在宅復帰のための準備や支援をしています。

 介護側では、リハビリ職との合同勉強会を2カ月に1度、テーマを決めて研修を行っています。定期的なカンファレンスのほかに、退所調整会議を開き、多職種やご家族やご本人、場合によっては担当のケアマネさんを呼んで、利用者さんが在宅に帰れるかどうかの相談を行います。また退所後に施設のデイケアに通う場合、しっかり引き継げるようにお試しデイケアを

導入しています。

古島 リハビリのスタッフ数が他の施設と比べると多いので、短期集中リハビリテーションを週6回、認知症短期集中リハビリテーションが週3回実施できているというのは、県内でも少ないのではないかと思います。

猪熊 リハビリでは、純粋在宅復帰を目指し「在宅復帰支援計画書」を作成して、入所からどのような順序で退所まで退所至るかを「見える化」して、患者さんやご家族をはじめ、多職種で共有しています。

古島  実際に在宅へ戻られた方をリストアップしていますが、昨年の12月から現在まで実際に在宅へ戻られた方は58%、全体の在宅復帰率は74%と結構高い数字が出ています。それにあたって、外出練習や家屋調査も手厚く行えているのも特徴ですね。いっぽうで、帰れなかった方の問題点をチェックリストを設けて、スタッフ全員で分析を進めているところです。例えば、帰れない原因に骨折や急変があります。家屋調査や分析結果を介護スタッフと情報共有して、入所時の転倒リスクを回避する環境設定を共有できるような体制を取り始めています。

 また、法人内の訪問リハビリスタッフが入所中から介入したり、退所後にデイケアと訪問リハビリを併用する場合など、スタッフ間で密に情報共有ができていると思います。

猪熊 リハビリの特徴として、病院併設の環境もあり、川平法という片まひの方に対して行う治療法に力を入れています。

 年に1度、川平先生が直々に所ご指導に来てくださり、病院と老健合同で研修を行っています。老健で川平法を採用しているところはほとんど無いと思います。

渡邉 川平法を目的に遠方から入所される方もいらっしゃいます。例えば他県から短期間入所して、リハビリ後にまた地元へ戻られる方もいますね。

前原 川平法は通所のお問い合わせも結構多いです。

 相談員としては、入所や退所の際にご家族との繋がりがありますが、他の病院など外部との繋がりも大切にし、皆に紹介してもらえるような施設を目指しています。入所してからの働きかけは現場が中心になりますが、入所するにあたって初回の面談は相談員が関わります。入所後はほかの職種に状況を確認しながらご家族と話を進めて、後に帰るためのサービスなどをケアマネさんと一緒に相談していきます。

介護と看護・ドクターとの連携

下田 病院併設のため、ドクターもナースもすぐ近くにいて連携が取りやすく、何かあった時に電話一本で来てもらえるというのは、やはり安心感があります。

渡邉 基本的に持病を持ったご高齢の方が多いので、どうしても途中で体調を崩される方がいらっしゃいます。ただ、体調を崩す前に、介護職の方や看護師さんが細やかな観察と、早めの報告をしてくださることで、病気が悪化して入院するということが避けられている状況です。肺炎になられるご高齢者が多いですから、口腔ケアを看護師さんが中心になって、歯科衛生士んや歯科の先生とも協力しながら対応してくださっています。

施設内に素敵な庭がありますが

古島 「樹心リハビリパーク」と言って、病院では歩ける方が数人で毎日利用したり、老健でも能力の高い方は歩行練習に来たり、絵を描いたり、花を眺めたり。さまざまな活用法のある憩いの場です。託児の子どもたちも遊んだりしています。

渡邉 樹心会には託児所があります。三世代間交流ということで、子どもたちがおやつの時に老健を訪れて、入所者と触れ合っています。普段、表情の乏しい方も、小さいお子さんや赤ちゃんを見ると、反応がすごく良くなる方もいます。

下田 託児の子どもたちが月に一回、各部署に来て元気な姿を見せてくれます。利用者さんはすごく楽しみにしていますね。

地域に根差した活動内容

猪熊 リハビリ職では健康講座を行っています。地域の公民館に出向いて、認知症予防や転倒予防、膝痛・腰痛予防、高血圧予防の体操を地域のみなさまと一緒行ったりしています。

渡邉 本来、老健はリハビリをして在宅に戻られる方のための場所ですが、医療職もいる施設なので、看取りや終末期の方の対応も必要性に応じて行っています。看取りを目的に入所される方もいますが、その場合、できる限りのリハビリやADL(日常生活動作)の維持をしていただいたり、どうやったら老健でその人らしく過ごしていけるか、職員とご家族と話しながら取り組んでいます。

 看取りを自然な形で受け入れ、ケアできるようにデスカンファレンスを取り入れています。課題を抽出して次の看取りに繋げていこうという取り組みです。目指しているのは、亡くなる方とご家族が、いい時間を持てるような環境づくりです。最期は家族に看取られて旅立てるように援助できればと考えています。

問題点の改善、これから目指すこと

下田 介護職では、在宅復帰チームを組織して、誰でも動けるシステムづくりを目指しています。それに伴い、今まで介護が関われていなかった家族指導をしっかりやっていこうと、取り組んでいるところです。利用者さんのADLや体の状態は問題なくても、最後にご家族の受け入れ状況が問題であり課題でもあります。トイレ動作を不安に感じている家族が多いため、メインに指導を行うことでご家族にも自信をつけてもらい、在宅復帰へ繋げていきたいですね。

渡邉 玉村町唯一の介護老人ことで保健施設です。入所も通所も含めて、介護の困難なケースのお手伝いをしていきたい。当然、在宅に戻られてからも介護は続きますので、必要な時にはすぐに対応し、玉村町民の生活に貢献できればと思っています。