介護特集

TOWN介護 FEATURE01

医療法人関越中央病院の介護部門でご活躍されている、各事業所のみなさんにお集まりいただき、
それぞれの立場から見た介護の役割についてディスカッションしていただきました。

在宅の介護・医療・福祉のトータルな地域貢献を目指して

法人の介護施設をご紹介ください

今井 まず、地域ケアセンターが介護保険法が実施される約半年前の平成11年9月に、開設されました。関越中央病院は急性期病院ではありますが、在宅医療にも力を入れており、当初から訪問診察や訪問看護を病院から提供していました。そのなかで、在宅介護をされている方への支援をしたいという思いから、在宅の医療、福祉、トータル的な地域貢献を目指しての開設となりました。当センターは在宅療養支援診療所をはじめ、デイサービス、デイケア、認知症対応型デイサービス、ショートステイ、訪問介護、訪問リハビリ、居宅介護支援事業所のほか、高崎市からの委託事業である高齢者あんしんセンターと、在宅介護に必要な9つの事業を展開しています。住み慣れた地域で、ご自宅で生活したいという高齢者の思いを受けて、在宅生活の継続を支援していけるよう、事業を行っております。

 いっぽう、介護・福祉村 北原の里は平成24年11月に開設しました。こちらはサービス付き高齢者向け住宅、居宅介護支援事業所、デイサービス、ショートステイから構成される複合施設です。関越中央病院を退院される患者様やご家族との相談の中から、医療的ケアや介護が必要な状態でご自宅に帰る場合に、核家族化によって、ご家族だけでは介護が大変という声を多く耳にするようになり、安心して生活できる場所を提供したいという思いで設立されています。利用者は法人内外の医療介護福祉サービスを利用しながら生活することになります。介護施設と病院がすぐ近くにあるという安心感を求めて、利用される方が多くいらっしゃいますので、医療と介護の連携を大切にして、日々事業を行っております。

医療と介護のスムーズな連携

小田 病院がすぐ近くにあるということで、幅広い患者層や高齢者に対応できる体制ができているのだと思います。その分、現場は大変です。介護士も他の施設よりも高い医療知識が求められますから。

角山 施設の隣に病院があるということは、働いている側も安心感があります。認知症の方は自身の身体の不調をご自分でなかなか言えません。声を発しない利用者さんに対しても敏感に感じ取れるように日々努力しているところですが、病院の存在は心強いです。

認知症高齢者のサポート

角山 認知症対応型デイサービス「えがお」では、軽度からかなり重度な方まで利用されます。認知症の方は季節感を感じにくく、気持ち的な不安や不調によって症状を悪化させている場合もあるので、当施設では外出行事を多く取り入れています。例えば、お花見に行くだけでも、バスの車窓から赤城山や利根川を見ると会話が弾み、症状の改善に繋がります。認知症の方のリハビリは難しいのですが、「あの桜を見にいきましょう、池を一周しましょう」と言うと、気持ちよく運動ができ、その

人らしく楽しみながらリハビリができます。実際、外出をしたり、一日の生活リズムが戻ってくると症状が安定し、ほどよい疲れで薬を飲まずに夜眠れるようになったという声を聞きます。ご家族も気分的に楽になり、明るく介護に向き合えます。

 またご家族に対しては、相談やアドバイスのほか、定期的にご家族同士の交流の場を設けています。介護ストレスの緩和に繋げ、在宅での生活が少しでも長く続けられるように、利用者さんとご家族の両面からサポートしています。

デイサービスの役割とは

鈴木 デイサービスは、朝来て夕方には帰る介護施設ですから、やはり家に居る時間の方が長いわけです。利用者さんが在宅でできるだけ長く、なるべく不自由なく暮らせるように、特に北原の里のデイサービスでは、機能訓練に力を入れています。理学療法士が2人、作業療法士が1人、そして言語聴覚士と、機能訓練の専門家がそろった手厚いデイサービスになっています。定期的に介護職員が住まいの様子を見に行って、複雑さを感じた時には、機能訓練の専門職とご自宅に伺っています。

家の状況を直接見て問題点を抽出し、それが克服できるような機能訓練を考えます。ですから一人ひとり皆違ったメニューを実施しています。

 例えば、普段布団で寝ている人には、椅子から立ち上がる練習ではなく、床から立ち上がれるような機能訓練にするとか、玄関に大きな段差があれば、段差を加味したリハビリを考えたりします。あとはご家族へ介護のアドバイスや、不安を取り除いてあげることも大事な役割ですね。

リハビリの重要性

小田 リハビリの概念は、状態が落ち着いて在宅での生活が続けられればそれもリハビリ、家を見に行ってご家族に指導するのもリハビリでしょう。そういう意味で法人では、外来から在宅になるところまで一貫して提供したい。病院はもちろん、デイサービス、地域ケアセンターの通所リハビリ、訪問リハビリなど一つのところで抱え込みに思われますが、実際、他の事業所にはどうしても伝わらないニュアンスがあるんです。ケアシステムに関しての連携がうまくいっていない実情もあると思います。同一法人内であれば、必ず情報が共有されて速やかにリハビリに移行でき、わからないことはその都度担当者に聞くことができます。

 通所リハビリ施設で、心臓や呼吸器が悪いとお断りする事業所があります。当法人は病院がありますので、循環器や呼吸器のリハビリの知識を持った職員がデイサービスや訪問に行けるのも強みですね。関越中央病院では、脳血管から呼吸器、運動器、がん、廃用症候群など、リハビリの施設基準をほとんど取得しており、トータルに対応できる体制を作っています。高齢者は心臓も呼吸も悪くて、なおかつ、膝も痛いという人も多いので、ジェネラリストを育成しながら利用者さんに提供できたらと思います。

サービス付き高齢者向け住宅について

小鮒 入院継続や施設に入所という形ではなく、自宅と同じように過ごせるのが一番良いのでは…ということで住宅ができた経緯があります。その中で私たちのかかわりはすごく重要になると思います。私は看護師なので、日常の健康管理の他に訪問看護もしています。例えば認知症の方で医療が必要になった場合は、入院で環境が変わると悪化するケースもあります。早期に退院して居室で治療を継続したり、毎日の点滴のための通院が大変な人は、居室で点滴をさせてもらっています。

 住宅は年齢が達していれば、介護度のない自立した方も入居できます。ただ、5年目に入り、動けた人が動けなくなったりと介護度が高くなってきています。北原の里、および地域ケアセンター、外部のデイサービスなどを利用しながら、皆さん居室で自由に過ごしています。

 今後の課題として看取りの看護が大事になってくるでしょう。「最期までここで過ごせますか」と聞かれることも多く、またご家族が、もう高齢だから延命を希望しないという話し合いがなされた場合には、訪問看護・介護を利用し、最期まで、看取れるように医師と調節をしているところです。