介護特集

TOWN介護 FEATURE01

◆鈴木 守
介護老人保健施設からたちの丘 施設長
群馬大学顧問・名誉教授、上武大学理事

<経歴>
・昭和44年 医学博士 東京大学助手時代に
      英国・米国に留学
・昭和49年 東海大学助教授を拝命
・昭和51年 群馬大学教授を拝命
・平成10年~13年 群馬大学 医学部長
・平成15年~21年 群馬大学長
・平成21年~25年 上武大学長

◆宮下 智滿
コートク・グループ最高顧問
公益財団法人群馬県長寿社会づくり財団 理事長
公益社団法人群馬県老人保健施設協会 副理事長
社会福祉法人群馬県共同募金会 副会長
<経歴>
・平成6年~8年 群馬県小児医療センター 事務局長
・平成8年~11年 群馬県医務課長
・平成11年~13年 群馬県地方(市町村)課長
・平成13年~17年 群馬県保健(健康)福祉部長
・平成17年~23年(3期)群馬県社会福祉協議会 会長

◆入内島 芳崇
・株式会社 高徳 代表取締役社長
・社会福祉法人 志純会 副理事長

地域の「QUALITY OF LIFE」の向上を目指して

豊かな自然あふれる風光明媚なみなかみ町上牧。
この地で温泉を活用し、医療・介護・福祉とリゾートの融合を目的とした生活を提案するコートク・グループ。
地域に根差した企業を目指し、昨年には赤城地区に介護老人保健施設「からたちの丘」を開設しました。

コートク・グループの強みをお聞かせください

宮下 コートク・グループは、上牧に拠点を置く一大医療福祉の総合施設です。ケガなどで病院に入り、老健でリハビリをして、在宅に戻る。また、デイサービスやグループホーム、特養も用意されており、ケアや介護のシステムができています。症状に合わせてグループ内での移動がスムーズにいきますから、利用者にとって便利でより良いサービスが提供できます。グループの良さを生かし、円滑な連携を常に意識しています。

 鈴木先生の協力のもと、渋川市赤城地区に新たな老健も加わりました。高速道路で上牧と直結しています。

そもそも、地域包括ケアシステムは、地域全体を一つの特別養護老人ホームに見立てています。道路は廊下と考えれば、自宅にいても施設の一室にいるような感じで、あらゆるサービスを受けられる、そうイメージするとわかりやすいですね。施設の一室にいれば、具合が悪くなるとすぐに来てくれる。家庭に医師が往診してくれる、サービスが必要であればヘルパーが来てくれる、そういうシステムが地域に出来上がれば、完璧な地域包括システムの仕上がりですね。実現はなかなか難しいですが、やらなければならない大きな課題です。

システムを構築するうえで苦労や難しかったことは

入内島 群馬の最北端のみなかみで事業展開していくうえで、地域に住む方々の介護レベルが上がるにつれて、必要な資源をつくっていくことがグループの使命でもありました。有り難いことに優秀な先生方に囲まれ、サジェスチョンをいただきなが

ら進めていくことができました。

宮下 病院建設からスタートし、温泉を中心とした「健康の里づくり構想」を開発していく中で、核施設の建設を順次進めてきたわけです。

群馬大学元学長の鈴木先生が老健施設「からたちの丘」にいらした理由は

鈴木 たまたま入内島理事長とお付き合いがあったもので。群馬県内には86の老健がありますが、独立型の老健は3カ所ほどしかありません。上牧に親元の施設があるから心強いですけれど、この赤城地区で5~10分で行ける地元の先生方のところでも病気になった入所者さんの面倒をみていただけるので、赤城に根差し、地域の方々に利用してほしいとスタートしまし

た。1年未満で40床が満床になったのは皆の力が結集したおかげだと思います。財務上の問題も乗りこえて、その次の段階に進もうというところです。信頼を得ている親元の病院や施設を背景に、ここで一種の独立型モデルとして運営し、小さくても全国の老健大会に出ても誇れるような施設にしたいと思います。

現在の開業医やクリニックとのつながりについて

鈴木 頻繁に行き来しているところは5つです。各医院に入院施設がない場合、渋川総合医療センターをはじめとする入院施設の整った病院にお願いするようにしています。

宮下 キャリアと医師間のネットワークのある鈴木先生の信頼とお力で、大きな病院がバックにあるのと同等の、地域の医師との専属ネットワークをつくってくださってます。

鈴木 最近の開業医のネットワークはすごいですよ。検査をしてすぐに結果が出て、次を紹介してもらえる。ネットワークに入っている先生方のスピード、正確さ、対応は見事です。専門性を分けてネットワークをつくっていますね。

老健もぜひ、それぞれが差別化した特徴を持って、お互い連絡を取り合えるような方法で交流を深めたい。同業者同士でも地域全体で連携を取れることができるといいですね。

あと、他県との連携についていうと、ここはみなかみ、渋川地区ですが、副理事長が中心になって、新潟で入所できずに困っている方の受け入れを進めようと、新潟にも足を運んで力を入れています。最近は南魚沼からも来ていますね。新潟市、長岡市へ行くより、赤城に来る方が交通の面からみるとずっと楽だそうです。新潟の施設の方もここに様子を見に来てくれています。

県をまたいで信頼されるには施設の総合力が重要ですね

入内島 施設を利用する基準になるものは、地域を大事にしているかどうかも重要です。地域と連携できていない施設では、患者さんも来てはくれないですからね。基盤があるから他県、他地域からも来てくれるわけです。

鈴木 渋川市子持村出身の理事長が、チャンスがあれば自分の出身地域にも施設をつくりたいと以前から言っていました。たまたまここが条件に合って老健がオープンできました。やはり地元に根付くというのは大切です。

宮下 理事長が温泉を中心とした「健康の里づくり」を始めたのも、自分の出身地である渋川市で新たに老健を始めたのも、地域貢献の活動であり、地元のために恩返しをしたいという情熱が根底にあるということです。

入内島 当グループは地域密着を目指して、理事長が地元の老人会や自治会を一軒一軒まわって、信頼を獲得していきました。今までと違う地域で根付けたのも、理事長が足で稼いでくれたおかげです。その姿勢を見て職員も真剣に取り組むようになり、地域の人たちからも安心と信頼を得られたのです。

宮下 鈴木先生も、地元の小さな集会に出向かれて講演します。施設のPRではなく、健康問題や医療・福祉問題といった社会貢献活動をしてもらっています。

入内島 私どものグループは地域に生かされながら、地域の一葉を担っていくことをモットーに、すべての地域の方々のQOL向上に貢献できればと思っています。