介護特集

TOWN介護 FEATURE01

栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)は、多職種の医療スタッフがチームを組み、患者さんに最もふさわしい方法で栄養状態を良好に保つことを目的とします。前橋赤十字病院のNSTは13職種で構成され、連携を密に取りながら栄養面を総合的に管理するチーム医療に取り組んでいます。

TOWN KAIGO FEATURE転院先の介護施設や病院、在宅復帰への連携・サポートに向けて

栄養剤や食事の連携の難しさ

 栄養サポートチーム加算には、急性期病院から栄養療法を始めて、次につなぐこともその内容に含まれます。患者さんが転院しても変わらない栄養療法を継続できることが理想です。もちろん患者さん自身にとってもそれが一番だと思います。例えば、糖尿病患者さんは栄養剤でインシュリン調整をしているので、そのまま栄養剤が継続できればいいのですが、転院先で栄養剤が変わると糖質量が異なるため、インシュリンの量も変わってしまいます。当院で選択した栄養剤と同じものを転院先に求めるのはかなり難しく、現状は先方の持つラインナップに合わせて当院が栄養剤を変更して、調整してから転院してもらっています。

 栄養剤の選択から投与方法、投与時間など患者さんの状態に合わせてアセスメントしながら最良の方法で行い、転院先でもそれに近づけられるように調整しているはずですが、うまく連携できずに誤嚥性肺炎になって当院に戻って来るケースもあります。急性期病院は在院日数が限られるため、誤嚥性肺炎の場合は熱が下がり抗生物質の投与期間が終われば転院になります。受け手側の環境が整っていなければ送り出せないこともありますね。

 食事に関しては、ひと言で「きざみ食」と言っても規格がな

いので、極刻みや荒刻み、数ミリから数センチと形状や調理法が病院・施設で全然違います。当院の場合は「きざみ食」にとろみを付けてまとまるようにしています。キャベツの刻みがそのまま出てきたりはしません。ですが、言葉通りに刻んだだけで出してしまえば、嚥下障害の人にとっては最も危険。そのあたりのリスクがわかり合えていません。各病院や施設の食形態や栄養剤について、互いに情報共有するためのデータベース化に向けて、今ようやく動き出したところです。

施設に寄り添う指導が必要

 さらに言えば、栄養剤や食形態だけでなく、連携するスタッフの職種も分かりかねることがあります。連携するにために必要な職種がそろっていなければ、こちら側が栄養療法の重要性を伝えても反映されないわけです。病院にいると介護側が見えないし、介護側も病院の現状が分からない。ですから施設と病院をリンクするケアマネージャーは大事なキーパーソンです。ただ、そのケアマネージャーが何を経験してきたかによって、施設への情報共有の仕方が異なる場合があります。また、病院側がケアマネの重要性をあまり理解しておらず、適切な情報が伝えられていない場合もあるかもしれません。

 その辺りの連携がスムーズになれば、マンパワーが少ない施設には、よりリスクの少ない方法をこちらで選択して提案したり、もっと具体的に転院後の生活を示せるんじゃないかと思います。医療や介護が必要な人が自宅に帰ることもあるわけで、それと同じように管理栄養士もいない、栄養剤を取り扱う部署もない施設に、医療依存度の高い人が転院する場合の準備には、施設ではなく家に帰るような指導が必要ですね。施設に合った指導の仕方、見方を変えていかなければ、施設側もきっと困っているのだろうと思います。嚥下食の作り方も施設の人に指導しなくてはいけないなずです。

 これからは診療報酬や病院の枠に縛られず、もっと情報発信に出て行ってもいいのかなと感じます。施設ごとに話をする機会があれば、私たちも施設を知る手段にもなります。声を掛けてもらえれば、喜んで出前講座に伺います。患者さんの支援のために、よりよい連携ができるように協力し合いましょう。