介護特集

TOWN介護 FEATURE01

ラウンジを利用したビーズ教室。 幸せに最期を迎えた方を一枚の葉に記した 作っているのはぐんまちゃんのストラップ 「Happy end of life tree」

TOWN KAIGO FEATURE患者さんが幸せな老後を送れるように地域全体が連携して支えていくネットワークづくりが大切

群馬県認知症疾患医療センターの役割

 

 代表的な認知症のタイプは4つあります。最も多いのが物忘れが主となるアルツハイマー型。次いで、幻がはっきり見えることが多いレビ―小体型、脳の前頭葉や側頭葉の萎縮がみられる前頭側頭型、そして脳血管疾患による認知症が挙げられます。認知症による頭の中の変化は周囲からは見えません。見えない分その変化に気付きにくく、本人にとっても周りの人にとっても関わり方が難しい病気です。
 現在、群馬県内には10カ所の認知症疾患医療センターが設置されています。沼田市に所在する内田病院もその一つ。認知症専門医の田中志子理事長をはじめ、専門医3名体制で認知症

 

外来を開設しています。認知症外来を受診する方には、事前にアセスメントシートを用いて主訴の確認や生育歴、生活歴、趣味や特技などをご家族から多角的に問診しておき、MRIなどの脳画像検査や臨床心理士による認知機能評価を行い、専門医が本人を問診したうえで鑑別診断をしていきます。実際に医療でどんなアプローチをしていくことがその人に適しているかを鑑別したうえで、介護保険につなげるケースや、介護保険に行く前段階のワンステップ違ったサービスを提供して、本人や家族の負担を軽減しながらスムーズに介護保険へ移行できるよう、一人ひとりを尊重したケアプランに取り組んでいます。

スローガンは「地域といっしょに。あなたのために。」

 

 認知症の症状にはさまざまなものがありますが、アルツハイマー型ですとちょっとした物忘れなどから始まり、やがて、時間や場所、人物などを認識することが難しくなります。認知症は完治する病気ではないので、いかに進行を緩やかにするかというところで、薬の使用や薬以外の治療法を並行していきます。特に当院が力を入れているのが非薬物療法です。  一行で書ける「いきいき日記」は軽度な人を対象に、日付や出来事を本人に毎日書いてもらいます。次回の受診時に持参して、医師に褒められることで本人の動機付けや意欲の向上につながります。趣味を生かした「ラウンジ活動」は墨絵や書道などを定期的に行っています。ボランティアをしている方の中には軽度の認知症の方もおり、人に教えて喜んでもらえることが生きがいや役割につながり、双方にいい効果をもたらします。

 

音楽療法ではフルートが趣味だった認知症の女性が週に2回のボランティア参加でフルートを披露し、いきいきと活躍されています。院内の駐車場の一部を畑にした「みんなのはたけ」には畑仕事が得意な認知症の男性と職員で畑を耕し、野菜を収穫しました。また病院の送迎バスを利用して畑に通うことで、通院への習慣付けにもなっています。このほかトレーニングセンターも備え、健康運動指導士がその人に合ったメニューを作って指導するなど、自分を生かす場所、誰でも活用できる場所づくりを目指しています。  また、認知症の方を在宅で介護されているご家族に対して「家族の表彰状」をお渡ししています。本人のケアはもちろん、ご家族に対しても気持ちを整理する場として心の支えになっていただけているようです。

profile

群馬県認知症疾患医療センター 内田病院
地域医療連携室長
星野 真由美さん

【職歴】
  • 平成14年 社会福祉法人桔梗会勤務
    ・特別養護老人ホームききょうの里 生活相談員
  • 平成21年 独立行政法人国立病院機構沼田病院勤務
    ・地域医療連携室 医療ソーシャルワーカー
  • 平成23年 医療法人大誠苑内田病院勤務
    ・認知症疾患医療センター
  • 平成26年 地域医療連携室長
【現在の委員】
  • 介護認定審査会 審査委員
【資格】
  • 社会福祉士/精神保健福祉士
  • 介護支援専門員/介護福祉士
  • 高等学校教諭1種(福祉)
  • 認知症ケア専門士/タクティールケア Ⅰ